熊野神社ラリー3回目 その3

千葉県旭市八木2466にあるであろう熊野神社の捜索開始である。
この場所は関東で一番早く初日の出が見られる犬吠崎の近くにある。
この狭い路地、アドベンチャーで突っ込んだら詰む…確実に!

あれ?と思ったが、脇に細い道があり、どうやらここを進めば熊野神社があるはず。


本当にあるのか自信を失わせるかのような道の細さ。

やっと鳥居が見えてきたが、人の家の畑に入っているんじゃないかと大変恐縮させられる。


これは珍しく、竹の枝が縄でくくりつけられている。


ピントがずれてしまっているが、今まさにクモが仕留めた獲物を食べようとする瞬間である。
よーく見ると、そばに子供のクモがいる。母さんクモなのだろう。
よく考えると、ここにくるまでにクモの巣を一つ壊してしまった。
クモの生きたいという気持ちと、自分の生きたいという気持ち、まったく同じ。
生命という点で考えると自分の命とクモの命、同じ変わらない大切な命である。
一生懸命作った巣であっただろう。
そう考えるとクモの巣を壊してしまったのは申し訳ないことをしたなと思った。
今度から気をつけよう。


階段を上りきると、とても質素な本殿のお姿がそこにあった。
まるで今日朝、袖ヶ浦で見かけた小さな神社のようだ。
今までの熊野神社の中で一番小さい神社である。
正直、みすぼらしいお姿であるが、胸の奥で畏敬の念を抱いてしまう。
これもまた熊野神社のお姿。
型にはまらない、自由なお姿。
形や大きさにとらわれてはいけないということなのかもしれない。


ここで本日のツーリングは折り返すことになる。
あとは九十九里浜の田んぼの中の二つの熊野神社を巡る。
続く。
熊野神社ラリー3回目 その2

今回のツーリングの前半は、前回の熊野神社ラリーの後半を逆にさかのぼるルートを採用しているのだが、
前回気がつかなかった大きな川があるのを発見した。
栗山川である。
橋の上から写真を撮ったほうがとても大きい感じが伝わるのだが愛嬌ということで。
調べてみると千葉県第二位の大きな川であった。

ちょっと休憩するためにあたりを走ってみる。
朝の雲がウソのようである。

千葉県山武郡横芝光町新井にて。
豊富な水の恵みによって、栗山川周辺はそれはもう広大な田んぼで囲まれている。
ここも田植えの季節に訪れてみたい。そのときはこのあたりはまるで湖のように見えるのではないだろうか。
よし、来年田植えの季節に来てやろう。
ここからちょっと進んだところから東総広域農道がはじまる。
信号の少ないまっすぐで気持ちのよい道が続いていく。

東総広域農道の途中、わき道に入っていき、本日二つ目の熊野神社である。
千葉県匝瑳市大寺1990−1にある熊野神社に到着である。


熊野神社の鳥居のすぐ隣に琴平神社の鳥居があり、異なる神様がすぐ隣に。
日本は八百万の神なのでこれはこれでOKなのである。
キリスト教やイスラム教は自分ところの神様以外は認めないが
日本の神様は神様同士がケンカすることはない。

清めの水にボウフラが元気よく泳いでいた。

珍しく、時計がかけてある。正確には9時6分なのだが、神様に時計は必要ないからいいべ。


スズメの元気の良い声が鳴り響く。
ここの神社はスズメのお宿。

また広域農道に戻る。
続く
熊野神社ラリー3回目 その1
4時45分にアドベンチャーに火を入れ出発である。
本日の予報は降水確率10パーセントの絶好のツーリング日和である。
東の空から太陽が昇り、輝く朝日を全身に受けながらアクアラインを木更津に向けて走る。

千葉県袖ケ浦市大鳥居の田んぼの中をゆっくりと走っていると木が一本だけ生えている。
そのそばに小さな小さな神社があった。

この枯れ果てた切り株が何かを語ってくるようだ。
この近くの田んぼの持ち主が設置したのであろうか。

ふとみると久留里線の電車が走っていた。

出足は曇りだったが、天気予報どおり、雲がどんどん薄くなり、日が差してきた。
前回の富士山ツーリングのときの朝焼けの美しさを感じることはできないが、
その代わりにこれもまた美しい風景と出会うことができた。


朝という時間は魔法がかかっているかのよう。
朝早く起きてよかったと思う瞬間である。

7時55分
千葉県山武市森93にある熊野神社に到着である。
周辺はゴルフ場で囲まれている。

扉の向こうを除いてみると中にまた何かが奉られておった。
さすがにこの中を写真に取るわけにはいかんだろうな。


この実に立派なスギが力強く大地に立つ。
一体、樹齢何年なのだろうか。


神社のすぐ側に
まるで兄弟かのように三つ並んでいる。

今日のツーリングはまだ始ったばかり。
続く。
熊野神社ラリー 二回目 その4

田んぼと小さな集落。
たまらんなあ~!!!

広大な田んぼの側道をひたすらのんびり走り続ける。
次の目的地は香取市からはずいぶん離れた銚子市の熊野神社である。
今までなら利根川沿いを走っていたが、今回はあくまで県道または、市道でルートを作っていた。
ずいぶん長く畑が続く。畑の道をたっぷりと楽しむ。
信号もないし、ずいぶん快適である。

12時54分、千葉県銚子市陣屋町5にある熊野神社に到着である。

この神社は人々の生活のど真ん中に位置する神社であるので、非常にコンパクトな神社である。
近くで道路工事をやっていて、やむを得ずトラックが停められている。

熊野神社と稲荷神社、二つの名前が貼り付けてある。
よくわからなんなあ。

漁港が近いから、豊漁の神様が祭られているのかもしれない。
すぐ裏は公園になっている。

今までの熊野神社の中で一番小さくコンパクトな神社であった。
ここから横浜に帰還することにしたが、もう一つだけ熊野神社に行こうと思った。
なるべく海から離れた道を使ってアクアラインに向かうのだったが、初めて通る道がこれまた景色もよく、快走路で非常に素晴らしかった。
アクアラインから銚子まではこの道を走るか、海沿いから少し内部に入った田んぼを走るのが一番気持ちいい。
交通量も少なく、信号も少ないし、本当に気持ちがいい。
県道だよ、県道!ツーリングはやっぱり県道だ!

銚子から三時間ひた走り、千葉県袖ケ浦市横田4218にある熊野神社にたどり着く。
ここは朝一発目の熊野神社と近い場所にある。
こちらは住宅街のど真ん中にある神社である。

朝一発目の神社と同じ形のシメナワである。

この神社は奥に細長い神社である。

ここの神社は大昔の天皇を祭っているようだ。
子供たち向けに看板が設置してあり、家に簡単な神棚を作りましょうというようなことが書いてあった。

なんかにおうなと思ったら、イチョウの実、銀杏がたくさん転がっている。

昔、母さんの兄さんが神社で銀杏を拾ってきて石油ストーブの上に置いて焼いて食べていた。
子供のころ、一つだけ食べさせてもらったが、あまり美味しいとは思えなかった思い出がある。
銀杏が転がっているといろんな人が拾っていくイメージがあったが、ここの近所の人たちはどうやらあまり拾わないようだ。

隣は公園になっているし、ここは子供たちのいい遊び場でもあるのだろう。

ここからアクアラインめざし、帰宅ラッシュがちょうど始る前、午後5時前には横浜の自宅に着く。
今日は珍しくたくさん走った割には温泉休憩もしなかったので、結構疲れた。
ただ、今日のツーリングは実に楽しかった。
神社というのはつくづく不思議な存在である。
まるで、大昔から現代に受け継がれたファンタジーなのではなかろうか。
あれっと思うようなかわいい神社から、薄暗い山の中にあり凄みのある神社まで、どれ一つ同じ神社が無い。
今回までで8つの熊野神社を回ったが、どれも個性的であった。
まだまだ熊野神社は数が多く、千葉県の全部を回るには一年くらいはかかりそうである。
熊野神社を回ることにより、新しい道を発見できたし、今まで見たこと無い美しい景色も見つけることができた。
何より、ちょっとわかりにくい場所にある熊野神社を探すのも冒険心をくすぐられ、実に楽しい。
まだまだ数多く残っているというのがうれしい。
本日の熊野神社のツーリングはこれにて一旦終了。
熊野神社ラリー 二回目 その3

道中、印旛沼を一周することにしていた。
走りやすいフラットダートが現れた。実に走りやすい道だ。
2001年に原付で印旛沼に来ているのだが、当時来た場所がどこだったかもうすでにわからなくなっていた。
14年前の自分はこんな大きなバイクで再び印旛沼に訪れるとは思ってもいなかっただろう。

時刻は11時10分。
千葉県香取市鴇崎888にある鴇崎農村協同館の近くにてコーヒー休憩をする。

公民館的な建物なのだろうか。

長閑な農村である。
県道ではない、市道とでも言うのだろうか。
こういった道をゆったりと速度を落として走るのが実に楽しいのである。
地図の情報によれば、田んぼを挟んだ反対側に、目的の本日三つめの熊野神社が存在しているという。

千葉県香取市関548にあるであろう熊野神社を捜索に来た。
どうやら目的の熊野神社は集落の住宅の奥の細道を上っていった裏山にありそうなので、
アドベンチャーでこれ以上進むのは危険と判断。
徒歩にて近づくことと相成った。
しかし、この道も実は民家への道かもしれない。まだ油断はできない。

ふう~、一発目の熊野神社の経験がここで生かされた。
これはアドベンチャーでは転回できないパターンだわ。
おそらくこの先に熊野神社があるはずだ。
民家がなくなって少し経つので、この道は熊野神社へ行くために作られたはず。

ここから階段か…。
どんどん雰囲気があやしくなっていく。
間違いない。もう少しのはずだ。
いや実に楽しい。
未知の領域に踏み込む楽しさ。
今回の熊野神社はどういうお姿を見せてくれるのか。
今はもう知っている人は少ないかもしれないが、インディジョーンズを見ている気分だ。

鳥居発見!!
近い!!!

失礼いたします、入らせていただきます。
…この森すべてが神社かと思わせるような神々しい神社である。
集落を見下ろすかのような位置に存在するこの神社。
完全に山の中である。
外から見たら、ただの山の中にこのような神社があろうとは、誰が想像したか。

しめなわが独特の形をしている。
美しいと思う。

きれいにコケが生えている。

アドベンチャーのところに戻ってきたら、近くで世間話をしていたおばあちゃん二人から「あっ、もどってきた」という
声が聞こえた。
まさかわざわざ誰も来ないような神社を見に来ているとは思わないだろう。
この太子堂という建物、なんに使われるのであろう謎である。
続く。