スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

10年の時を越えて

卒業検定、合格していた。
フタをあけてみたら、ミスをしなければ時間が多少かかっても合格になるらしい。
そんなに一生懸命がんばらなくてもよかったのだ。


合格を知った瞬間に、Oさんにすぐメールをした。
「合格しました。すべてのミッションコンプリートしまして、アドベンチャーに乗るための障害を全部取り除きました。本当にありがとうございました」
12月12日、免許証に大自二の文字が記載された。


忘れもしない、2013年12月17日午後4時55分。
BASからオートバイ到着の連絡が入った。

震えた。
次の日はちょうど休みである。
足はちゃんと地面に付くのか、心配だったけども、そんなことはもうどうでもいいのだ。
足がつかなければ、足がつくような底の厚い靴を履いてでも乗ってやるのだ。


次の日、朝早く起きて横浜のBASの最寄り駅に到着する。
駅近くのファミレスで食事をして時間を調整する。
BASがはじまるのが朝9時から。

歩いてBASに近づいていく。
上り坂を息を切らして歩いていく。タクシーは使わず、その分ガソリン代にするのだ。


一歩一歩近づいていく度に、不思議な気持ちになる。
本当にR1150GS ADVENTUREが用意されているのだろうかと。


実は全部うそで、大どんでん返しが待っているというパターンではないのかと疑ったり。


10年まえから存在は知っていたが、実際触ったこともなかったR1150GS ADVENTURE。


bas



BASが見えて来た。
GSの姿はどこにもない。
BASのおじさんに名前を告げるとちょっと待っててと奥に入っていった。

おじさんが再び現れたとき、さも簡単そうに軽々アドベンチャーを押して持ってきてくれた。
正直な話、もっと大変そうに現れるかと思っていたのだが…。


おじさんはビジネスライクに説明をしていくが、俺にとっては10年あこがれたバイクで、
はじめて触ったとき、うれしさのあまり涙が出そうになった。


2002年に作られたこのGSは、女性に例えると20代前半の女のような新しさはなかったが、
男心がわかりはじめた30代前半の魅力ある女という感じがした。


…よかった、足は着く。
早速エンジンをかけようとしたとき、すぐにエンストした。
なんだ?かかりが悪いのか?
2度、3度やってもだめなので、アクセルを開けて少し暖機運転することにした。
うまくいった。
後になってわかったが、エンジンオイルが20w-50が使われており、始動性はよくなかったのだ。
VTR250は10w-30であり、そのオイルしか自分は使ったことがなかったのでわからなかった。


何もかもがはじめてで、何もかもわからない。
だけどもうれしい誤算が一つ。ETC装置がそのままにしてあったのだ。

これは本当にありがたい。
まずはじめにETCをつけなければと思っていたのだ。


オートバイはETCがあるのとないのとではぜんぜん違う。



自宅に着いてアドベンチャーにシールドを取り付ける。
パニアは外す。

本当に自分のものになったのか…。
しみじみ思う。
Oさんに本当に感謝。


gas2



10年前に欲しいと思ったオートバイ。
当時は新車では買えなかったが、その分、今いっぱい整備にお金をかけよう。
作られて11年が経つのに23000キロしか走っていない、その分、自分がたくさん走ってやろう。
大事にしよう。
俺の元に来てくれて、本当にありがとう。

幸せな気持ちでいっぱいだった。


でもこれで終わったんじゃない。
たった今、始まったばかりなんだ。
スポンサーサイト

最後の試練

Oさんと約束した後、早速金額の半分を振り込んだ。

ますます早く手に入れたい気持ちが強くなったのは言うまでもない。
今の自分にできることはなんなんだろうか、毎日考えていた。

とにかく考えうる限りのありとあらゆる金策を行った結果、なんと10月末にOさんと約束した日の一ヵ月後にはお金が全部そろったのである。
本当は全額振り込むまでに三ヶ月は必要としていたのだが、なんとかなった。
早速Oさんに残りの金額を全額お支払いする。
Oさんのご厚意がなければ、このGSは手に入れることができなかった。
走れメロス状態で、一刻も早くゴールにたどり着かなければならなかった状態であったので、
約束を守ることができて本当によかった。

数日して、GSのシールドだけ送られてきた。BASというオートバイ輸送では、今回のバイクはシールドつけたままだと
追加料金が取られるので、Oさんがわざわざ外して送ってくれたのである。

すごくデカイシールドで、これがついていたGSはさぞ大きいんだろう。
si-rud




免許 ×
お金 ○
バイク○

の状態である。
そう、普通自動二輪の免許しかなく、急ぎ、大型自動二輪の免許を取るために教習所に行った。


教習所のバイクはヤマハXJR1300というバイクであった。
自分が乗っていたVTR250に比べると、取り回しが非常に重く、サイドスタンド一つかけるのにすごく気を使う。

そして、この教習所のXJR1300だからなんだろうが、クラッチがとても重かった。
教習所ではクラッチを握ったままのことが多かったので、とても疲れた。
足つきはつま先の親指の付け根がべったり付くのでまったく問題なし。
教習所の教習の中で、クランクで一回だけこかしたが、カンタンに起こせた。


全体の印象としては、VTR250と比べると取り回しが非常に重い代わりに低速がかなり安定感があった。
これには非常に感心した。軽いVTR250では経験できなかったことだから。


その一方でXJR1300に乗ってみてVTR250の乗りやすさは本当に素晴らしいと感じた。


教習所の帰りからはVTR250で帰るのだが、この気軽さ身軽さはそれ自体が走ることを楽しくする、
自分が実に良いバイクに乗っていたんだなと痛感させられた。

それに、やっぱり、オートバイが好きなんだったら、一台で終わらせちゃいけないと思った。
オートバイの数だけ魅力があるんだとそう思った。


大型バイクだからといって、操作は何も難しいことはなく、大型バイクの性格を知るということが大型免許のテーマなのかもしれない。


教習は順調に進んで、このまま卒業できるかと思われた。
とくに苦手な部分もなく、VTR250の延長にすぎないという所感があった。
取り回しが重いだけ。なんてことない。


あと少し届くGSに乗るために何が何でも合格しなければという強い思い、
一刻も早くGSに乗りたいという強い思い、
そして、仕事の都合でなかなか休みが取れず、
このときはすでに12月であったので、落ちたら師走の教習所の休みにつられて年明け以降になってしまう、
何が何でもそれは避けたいというさまざまな強い気持ちが自分に通常の三倍肩に力を入れさせた。



あと2週間でR1150GS ADVENTUREがやってくるというとき、あろうことか一発目の卒業検定に落ちた。
普段の教習では絶対にミスしなかったスラロームにひっかかったのである。

愕然とした。

卒業検定というのは週に二回しかやっておらず、しかも仕事の休みと同じ日というのは限られている。


自信も大きく失った。なんでミスをしたのかわからない。
普段ミスをしないところなのだから余計にショックが強かった。
次に検定を受けるときにどうすればいいのかわからない。

次落ちたらバイクは届くのに免許がないから来年になってしまう…。
バイクの保管料もかかるし、蛇の生殺しか…。



気持ちはとても落ち込んだ。
いざというときにメンタルが弱い。本番に弱い。最悪だ。


GSに乗るための最後の試練。



色々本を読んだりした結果、スラロームを失敗したのは、そうなるように自分で選んだからだと分析できた。
失敗したらまずいという気持ちが強かったあまり、脳みそが失敗するほうを選んだのだ。だからミスをした。


二回目の卒業検定のとき、何度も何度も自分に言い聞かせた。
「自分は卒業検定に合格しました」「自分の中にヒーローがいるのを信じろ、自分ならできる!」

そうつぶやきながら二回目の卒業検定をスタートする。
スラロームにさしかかったとき、逃げたい気持ちにとらわれた。
時間をかけてフラフラしながらスラロームをクリア。


ああ、こんな動きじゃ点数足りなくてダメかもしれない。
そう思いながら最後の急制動をクリアしたあと、XJR1300から降りてヘルメットを脱ぐ。

情けないことに手は震え、足はがくがく力が入っていなかった。

ヤフオクでご縁を頂く。

一日ずっと仕事のときも始終R1150GSアドベンチャーのことを考えていたというより、思いつめていたという表現の方が正しいかもしれない。

気持ちだけすごく強くて、お金がない状態。
これがとってももどかしく、不思議な精神状態であった。
自分自身は手に入れる状態でいるのに、現実が追いつかない。
気持ちだけ空回りしていく。

× 大型免許
× お金
× バイク


かといって、お金が急に入るわけではなく、本当にじれったい。
いずれ時が解決してくれ、手に入るときが来るのであろう。


一刻も早く手に入れられるよう、ベストを尽くそうと心に決めていた。

そんなとき、ふとヤフオクでBMWのバイクを見ると、
ちょうどよくR1150GSアドベンチャーが出品されているではないか。

gs1
gs2
gs3

よさそうなGS、値段も個人売買なので、相場よりすこしお手ごろ価格。
でも、マフラーが社外品がついており、ノーマル派の自分としては少しひっかかった。
誰かに落札されるかもしれないと思っていたが、一旦見送った。

誰にも落札されず、また再度出品されたときに、値段の交渉も受けてもいいということであった。
マフラーはあとから純正を手に入れればいいし、いいんじゃないかなと思った。


値段の交渉という話もあるが、今現在の自分の手持ちの金額では、交渉どころではない。
せっかくの機会だけど、やっぱりダメかもしれないとあきらめようとしたとき、
常日頃から思いつめているだけあって、やるだけやってみようという気になった。

本当は人様には内緒にするべき話だが、とても貧乏なころ自分は多額の借金を背負い、返済が遅れてしまった時期もあり、お金が借りれない体質になってしまったのだ。
まったくおろかな話ではあるが、過去は過去。
大切なのは未来をどうするかだ。

少し値引きしてもらおう!
分割払いにしてもらおう!

この二点であったが、普通にお願いしても絶対に受けてくれないだろうと思った。
会ったこともない見ず知らずの人間が、大金が関わる取引にありえないお願いで、言語道断。

そんなのはわかってる。常識的にわかってる。

だったら、とにかく、自分のオートバイに対する情熱、R1150GSアドベンチャーに10年前からあこがれていて本当に欲しいと思っている気持ちをわかってもらうしかないと思い、
今まで自分がツーリングに行った写真をたくさん送り、どんだけバイクが好きか、どれだけ真剣にR1150GSアドベンチャーを
手に入れようと考えているかを長文でメールして差し上げた。
分割払いで大変恐縮ではありますが、今月分の給料から出せる金額と今あるだけの資金をすぐ全額振り込みます、
残りは2014年2月までに必ず払います、というようなことを精一杯書いて送ってみた。

そしたら返事があり、夜電話をしませんかと。

夜、とてもやさしそうな声の方から電話があり、「Takesi Godaさんがそこまでのお気持ちがあるのでしたら、わかりました、
Takesi Godaさんのおっしゃるプランでお話をすすめましょう」と言って下さったのである。

電話の方はOさんといい、同じオートバイが大好きな方であった。
ライダー同士、気持ちが通じたのでしょう。ご縁をいただき、神様に深く感謝しました。

それに、本来であればこのような本当に面倒でリスクを伴う取引をわざわざ引き受けてくれたOさんの人情にあふれた
心意気を絶対に裏切ってはならないと思った。
何が何でも約束を守らなければ。

数日後、オークションは落札者なしで閉鎖され、ヤフオクを通じず、Oさんと自分のやりとりがはじまった。


× 大型免許
× お金
○ バイク

R1150GSという存在

F650GSを一年以内に手に入れるぞと心に決めてから、毎日時間があればF650GSのカタログを眺めたり、実際持っている人のブログを眺めたり、BMWの認定中古車のサイトをずっと眺めていた。

サイト


IMG_0011.png
1266684_550818244986109_1264231073_o.jpg


雑誌も集めては眺めて、絶対に手に入れるぞと、思い出すたびに言い聞かせていた。

ふと雑誌を見ると、過去のGSのことが載っていたり。
R1150GSアドベンチャー。
GS


2004年の頃、VTR250を手に入れたばかりの頃、BMWのオートバイのサイトを何気なく見ていたら
R1150GSアドベンチャーに衝撃を受けていた。
デザインもすごいなと思ったし、今はインターネットにも残っていないけど、サイトの文章にも心打たれていた。


当時の自分としては、すんごくかっこいいバイクだなあ、欲しいなあとは思っていたが、200万円以上もするバイクで、中型の免許取立ての自分では
大型バイクに乗るなんて思ってもいなかった。
でもいつかはBMWに乗りたいなあと思っていた。
BMWに乗ってみたいときっかけを作ってくれたR1150GSアドベンチャー。

あの独特のデザイン。
すんごくキュート。たまらん!

もし、これに乗るとしたらどうだろうか。

自分には乗りこなせるかわからないし、ネットなどで色々調べてみたら、
自分は身長170cmで足が短いし、ダメかもしれない。
乾式クラッチなので、大変そう。
倒しても起こせないかもしれない。
それに、すでに中古でも10年以上経っているから、状態が良いものはあまりないかもしれない。
修理代がめちゃくちゃかかるかもしれない。
聞けばブレーキの操作が大変で、ききまくりで大変みたい。
とにかく重いのでやめた方がよさそう。
今まで250ccの軽いバイクだったんだから、いきなり、リッター越えはよくないだろう。

やめる理由はいくらでも掘り出せたし、
F650GSに乗る方がずっと合理的だと思えた。
とにかく小さいバイクしか経験がない。小さいほうからはじめた方がいいじゃないかと。


ただ、日々、BMWの情報を集めていくうちに、R1150GSアドベンチャーに乗り続ける人たちがいることを知った。
メンテナンスし続け、修理し続け、今も乗っている人たち。
あるときはアドベンチャーを倒してしまって起こせなくて困ってらっしゃるときがあったり、
修理代が思ったより高額になってしまったり、などなど。

10年前のアドベンチャーも、まだまだぜんぜんいけるんだなあとうっすらと思い始めてきた。

R1200GSアドベンチャーをもっている人たちのブログもよく拝見させていただいていたので
知っていたが、
ユアン・マクレガーの大陸横断バイクの旅というDVDを見てしまったのがいけなかった。


R1150GSアドベンチャーでヨーロッパからロシア、アメリカはニューヨークに旅に出るというお話だったのだが、
自分は完全にこのDVDで背中を押されてしまった。


F650GSのことは完全に忘れて、R1150GSアドベンチャーをとにかく手に入れることに決めた。
10年前の夢を現実にする。

計画から三ヶ月、貯金30万円の時点であった。
その時点でR1150GSアドベンチャーの相場大体120万円。
グーバイクなどでも在庫は全国でも1~2台の状況であった。

F650GSか。

ディーラーからカタログを送ってもらい、ネットでも色々見ていたら、F650GSという800ccのGSが自分にはよさそうだなと思った。
エントリーモデルのG650GSという単気筒モデルが値段も安いし、いいんじゃないかと思っていたが、
排気量がF650GSの方がよく、デザインも好みであった。

とにかくF650GSをねらっていくことにした。
一年間で100万円貯めて、中古のF650GSを手に入れることにした。

本当はR1200GSアドベンチャーも考えていたが、この時点では扱える自信もなかったし、
予算的にもお金を貯めるのが遠く感じていたのもある。
乾式クラッチが扱いにくそうで、あれやこれやと避ける理由を考えていた。

とにかくちょうど良い距離にあり、扱えそうなF650GS。

2013年7月、まだこの頃は大型免許すら取っていなかったし、お金も10万円くらいで、
手に入れる実感全然なく、夢のまた夢と感じていた。

とにかく、一刻でも早く手に入れたいので、お金をどんどん貯め始めた。

新しいバイクを夢見る一方で、10年間乗ってきたVTR250ともお別れになると考えるとすこし寂しい気持ちになる部分もあった。

ジョルカブ(50cc)に乗っていた頃は本当に非力でゆっくりしか走れなかった坂道が
VTR250で走ったときに世界ががらりと変わった感じがした。
二人乗りができるようになり友達も乗せて楽しかったし、たまに女の子も載せて走り回った日々。
自分にとってはただのバイクじゃない。VTR250は思い出そのものなのだ。

自分にとってはオートバイというものはVTR250で大満足で、これ以上望む必要もないし、
これで完結していたし、十分であった。


ただ、もう自分は新しいバイクに乗るということを決めたのだ。
銀河鉄道999のゴダイゴが作った曲の歌詞で、

さあ行くんだ その顔を上げて
新しい風に 心を洗おう
古い夢は 置いて行くがいい
ふたたび始まる ドラマのために
あの人はもう 思い出だけど
君を遠くで 見つめてる

というフレーズを当てはめてみる。


すこし切ないけど、新しい未来を作っていこう。

あのときの、深夜のクロネコヤマトでVTR250に乗る想像をしながら荷物を仕分けていったときのこと、
もう一回あれを味わうんだ。
毎日、ずっとバイクのばかり考えていた。
プロフィール

Takesi Goda

Author:Takesi Goda
1980年製のライダーです。オートバイに20歳から乗り始めて16年になりました。
ジョルカブに4.4万キロ、VTR250に10万キロ乗ってきました。
現在は02年製R1150GS ADVENTUREと89年製セロー225と81年製モンキーの三台体制です。
身長170cm体重82キロです。(大晦日までに66kg目標)
夢は日本一周とアメリカを自分のバイクで旅すること。

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

カテゴリ
FC2カウンター
リンク
検索フォーム
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。